三年前、愛猫めそ吉と暮らし始めました。
その頃、図書館で目に留まったのが、『パンとスープとネコ日和』という小説です。
パン、スープ、ネコ、全部好き!
(ネコとの組み合わせ、最高!笑)
小説の世界観も、この中に出てくるネコのしぐさや表情もかわいくて、ほんわりした気持ちになります。
この作品をきっかけに、作者群ようこさんのエッセイを、初めて読んでみました。
すると、「しいちゃん」という名の猫と暮らしていることがわかりました。
『咳をしても一人と一匹』のしいちゃん
しいちゃんのことを、もっと知りたくなって、最初に読んだのは『咳をしても一人と一匹』です。
19歳になったしいちゃんとの生活が綴られています。
読んですぐに、しいちゃんと群ようこさんのファンになりました。
しいちゃんの女王様ぶりと、それに対する群さんのストレートな反応(腹の虫が治らなかったり、ついにしいちゃんに怒りを爆発させたり、謝ったり)から、ただ可愛いがるだけではない猫との暮らしを知ることができます。
猫と暮らし始めたばかりの私には、とても参考になったことがいくつもあります。
そのひとつは、猫は話せばわかる、ということです。
群さんは、外出することや帰る時間を事前にしいちゃんに話して伝えたり、しいちゃんの爪のお手入れについてのお願いをしたりしています。
正確に言うと、猫は話せばわかるかもしれないけど、了解して従うとは限らない、それでも、こちらの思いを話して伝えることが大事、ということです。
初めて読んだ時には、群さんは、しいちゃんのしゃべっていることもわかり、表情や態度で何が言いたいのかどんな気持ちなのかを読み取ることができてすごいなぁと感じました。
けれども、それから3年の月日が過ぎ、私もめそ吉の言いたいことや感情がわかるようになり、より話し合う大切さを実感できるようになりました。
『おかめなふたり』のしいちゃん
『おかめなふたり』には、しいちゃんとの出会いから、やんちゃ盛りの仔猫のしいちゃんに翻弄される様子がユーモラスに、愛情たっぷりに描かれています。
しいちゃんが、部屋の中を走り回る様子を、すっとんでいる、あまりに速くて目が回る、と書いています。
そうでした、そうでした。
生後四ヶ月から我が家で暮らすめそ吉も、オシッコをした後やドライヤーの音などでスイッチが入ると、すっ飛んでいました。
瞳を黒くまん丸くして、飛び回る様子がフクロモモンガに見えて、「モモ」と呼んでいた時期があったことを思い出しました。

疲れを知らない遊びに付き合わされて、ヘトヘトになったりしているのを読んで、私もふと忘れていためそ吉の仔猫時代を、懐かしく思い出しました。
『しいちゃん日記』のしいちゃん
群ようこさんのお隣のお部屋の方が飼っていらっしゃる「ビーちゃん」と群ようこさん、そして、5歳のしいちゃんの関係が、楽しく綴られています。
読み終えた後に、このお隣の方というのが、もたいまさこさんだと知って、驚きました。
「しいちゃん」という名も、先輩猫「ビーちゃん」の妹分として従って欲しいという意味があって名づけられたそうです。
しいちゃんとめそ吉
群さんは、「世界一、飼いネコに叱られている飼い主」というジャンルがギネスにあったら、絶対一位になれると思った、と書いていらっしゃいます。
しいちゃんのパワー、恐るべしです、笑。
めそ吉も、噛んで怒ってきたり、いたずらをしたり、喧嘩をふっかけてきたり、まぁよくもそんなにワガママ放題して困らせますねぇと思うこともあります。
そんな時は、「どうしてそんなことするの?困っちゃうよ。」と語りかけたり、「もう!やめて!」と怒ったり。
けれども、どうしてこんな困る行動を取るのかと、自分の行動を振り返ってみると、はっと思い当たることがあったりします。
このことも、群ようこさんのエッセイから学ばせていただいたことの一つです。
めそ吉との付き合い方のバイブルになったと言ってもも過言ではありません。
めそ吉との暮らしの時間が経つにつれ、面白く感じるところが、増えたり、感じ方が変わったり。
時をおいて、時々読み返してみたいな、その時にはまたどんなことを感じるのかな、と楽しみな3冊です。
