猫と暮らすようになって三年たちますが、いまだに、慣れません。
猫と寝る至福に。
メルヘンの世界
腕まくらに、小さなアタマをちょこんとのせて。
後頭部ははかなげで、ふたつのお耳が薄闇の中にぴょこんと見えます。
寄り添って横たわった柔らかな背中。
手のひらの中には、並べて入れてきた前足の肉球の柔らかなあたたかみ。
時々、うぅぅーん、と小さく言って伸びたかと思ったら、アタマをすりすりとくっつけてきます。
子どもの頃、ぬいぐるみやお気に入りのお人形を隣に寝かせて夢見ていた、まさにそれが現実となっているとは、このこと。
一人、にんまり、口角が上がっていくのを抑えられません。
これはもうメルヘンの世界じゃないですか、笑。
一緒に寝たり寝なかったりのスリル
ところがこれ、毎晩ではないのです。
真夜中に、夜明け前に、気まぐれにやってきたり、こなかったり。
一緒に寝ていたはずなのに、いなくなっていることもあります。
あ、来た!と喜んでいても、何が気に入らなかったのか、どこかへ行ってしまうこともあります。
それどころか、一晩中やってこないこともあるのです。
夜中にクッションで寝ているめそ吉を見つけたら、抱っこして連れて来て、一緒に寝ます。
あ、迎えに来てくれた!と身を任せてくれた時は、ベッドに横たえると、さぁ寝るぞー、くぅーんと伸びをして、アタマを腕にのせてきます。
めそ吉の気が向かない時は、甘噛みをしてしますが、諦めてベッド戻って寝ていると、しばらくして来てくれることもあります。
そんな気まぐれに翻弄されてしまう毎日なのです。
体が痛くなっても耐えるに値する
めそ吉は腕まくらか、もしくは、脇の下にアタマをすっぽりと入れて寝ます。
呼吸しているかしら?と心配になるくらい眠りこけている時もありますし、何度も寝返りをうっては甘えながら寝ている時もあります。
こちらは、同じ姿勢を長く取っていることに疲れて、目が覚めることがあります。
あ、めそ吉がいる、かわいいなぁ、見飽きないわぁ。
だけど、腕が痛い。
あぁ動かしたい。
でも動いたら、めそ吉が起きて、どこかへ行っちゃうかも。
がまん、がまん。
腕が痛いー、もう限界かも。
もう寝るどころではありません。
それでも耐える価値のあるかわいさ。
三年経っても慣れません。
たしかに人には言いづらい
猫を飼うようになって、猫のかわいさをもっと早く知りたかった、どうしてもっとちゃんと教えてくれなかったのーと思っていました。
長い付き合いの美容師さんに、
「飼わないと、わからないよねー。」
とこっそり囁かれた、まさにそういうことです。
こんなメルヘンのようなこと、翻弄されたり、痛みに耐えたりすること、なかなか人には言いづらいです。
さて、今日もまた、めそ吉と一緒に寝ることを夢見て、眠りにつきます